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    サクラミチ    歌詞と歌唱と発声の関係について考える  その2 

    前の記事の内容を簡単にまとめると、以下のようになると思います。

    歌う時に気をつけるべき点
    ①母音と子音では、子音は聞こえ難いので、特に子音に注意。
     (特に、声帯振動を伴わない無声子音)
    ②母音(a、i、u、e、o)の内、狭母音の「i」「u」は共鳴しにくいので注意が必要。
    (口腔内の面積がa,e,oより狭いため。aが一番発音しやすい)
    ③ ①と②のことから、無声子音+狭母音の音声を発音・発声する際は注意が必要。
      特に、1メロ冒頭の音や、サビなどのフレーズ頭にこの組み合わせの音声がくるとき。
     (歌い方のテクニックは、前記事中に書きました)

    そして、まだ気をつける点があります。


    声帯振動を伴わない子音は、聞こえ方が弱くなる・・・と書きました。
    前記事で書いたように、子音の音が母音の音に先行して発声され、母音の声帯振動が始まるまでのわずかな間、無声子音の場合の音が弱くなるからです。
    けれども、日本語はCV形式で、子音と母音の組み合わせなので、子音無しで歌うことはできません。そして、フレーズの冒頭の音などではない限り、その単語の音声の組み合わせや、音韻や、言葉がのっているメロディによって、そこまで気にならない場合もあります。

    けれども、前述の①~③に加えてもう少し注目したい日本語の特徴があります。

    ④促音「っ」の発音
    音声的には、「っ」をはっきりと発声して歌うと、メロディの流れを寸断してしまうので注意が必要
    ⑤撥音「ん」の発音 若しくは 鼻音
    「ん」には音声記号では4種類。音声的には5種類の発音がある。
    鼻音で鼻に抜いて、響かせながら歌うのはスキルが必要。
    (5種類の発音については、ここでは割愛。)

    そして、今回わたしが注目したのはこちらで、ここからが本題です。
    ⑥母音の無声化 
    狭母音(「i」、「u」)が無声子音に挟まれると母音が脱落、無声化する。

    例     いつか(itsuka)
           抱きしめた(dakishimeta)


    解説: 無声子音に挟まれた狭母音の音声が発音時に脱落、無声化する
       青字:無声子音 / 赤字:狭母音
       *赤文字部分が脱落、無声化

    母音の脱落に関しては、上記が基本ルールなのですが、無声子音に挟まれなくても脱落する場合がある、母音の脱落が連続する場合には最初の母音は脱落しない、など例外もありややこしくなるので、ベーシックなもので考えています。


    **
    何故、今回こんなことを考えるに至ったかというと、
    福岡で「サクラミチ」を聞いた時に、あまりにも突出して上手かったと思ったのですが、ライブで回数を重ねる内に、段々と上手かった印象が薄れてきていて「最初はそこそこだった他の歌のクオリティが上がったから?」と思っていたのですが、TVで放映されている「サクラミチ」が結構、あらら・・・なことになっていて、CDとTV放映をよくよく鑑賞してみました。

    それで、この歌、色々とテクニックを要するんだなあ・・・と地味に?それとも、普通に高度なのかは、私には判断がつかないのですが、二人のコンディションはともかくとして、歌で気になる部分があるとして、そのかなりの箇所が上記の点で説明できるような気がしたからです。
    そして、CDを聞くと相当に歌えていて、TV放映と合わせて鑑賞すると歌を歌う時に使われるテクニックとその効果がわかるのです。

    **
    例えば、TV放映では放送時間の関係で、サビから歌って、1メロ、サビで終わりますが、2回も歌うこのサビの歌詞の歌い難さときたらないと思うのです。

    チャンミン   拍頭の無声子音+狭母音 1ヵ所/母音の脱落 3ヶ所(*1)/促音 2ヶ所
     桜降る夜に 君を抱しめた
     りゆ世界が 止まて映(う
     どうかこのままで ずっとこのままで
     戻らない今を 繋ぎ止めようとた  

    ユノ   拍頭の無声子音+狭母音 2ヵ所/母音の脱落 4ヶ所/促音 2ヶ所
     だけどこの先が 不安な日々でも
     君が笑うなら 前に進(す)まなきゃ
    と大丈夫 離れたとても
    と大丈夫 ずと繋がっているWOW~


    と、この1サビの間に二人合わせて、
     拍頭の無声子音+狭母音 3ヵ所/母音の脱落 7ヶ所/促音 4ヶ所
    :母音の脱落 :拍頭の無声子音と狭母音 、ピンク:促音「っ」)
     見ていただくとわかるように★印部分は、他の要素とセットになっていて、更にハードルを上げています。

    って、結構な難所ポイントじゃないかと思います。
    おまけに、TV放映Verということで、このサビを2回も歌うのです。

    ただ、なるほどな、上手いなと思ったのは、
    チャンミンのサビのパートで母音の脱落の色分けは4箇所ですが、カウントは3として(*1)としている、この部分なのですが、歌詞では「抱きしめた」ですが、歌はメロディにあわせた譜割となっているので「抱き しめた」とポーズが空いています。ですから、音声的には、「daki shimeta」となり「だきぃ しめぇた」と、母音の脱落を避ける譜割りとなっています。

    作曲家が歌詞を書くと、譜割という点では上手いな・・・と思う歌詞の振り当てがされていることがあって、私はサクラミチのように作曲家の方が歌詞を書くのは嫌いじゃなかったのです。ですが、やはり「ことば重視」で歌詞を書いていて、歌いやすさや音声的な面はあまり考慮されていません。
    そして、テレビ放映用のバージョンを作るときに、意味や歌詞の流れがあるので2サビをもってくるとかサビの組み合わせを変えるとかができなかったのはわかるのですが、でも、作詞の時点で「TV放映Ver」のことも考えて、使用頻度、露出頻度の多い部分はもう少し考慮しても良かったのではないかと。

    個人的には、チャンミンとユノそれぞれに無図化しさがあって、
    チャンミンだと
     りゆ世界が 止まて映(う

    この部分の「散りゆく世界が止まって映った」の短いセンテンスの中に、促音2ヵ所、です。
    そして、そのうちの1ヵ所「映った」の方は母音の脱落に続く促音と、音韻が弱まった上に旋律を寸断する要素が加わり、更にハードルが上がっています。短い旋律の間に2ヵ所も旋律を寸断する促音が入るって、「よほどの必要性がない限り」避けるべきだと思います。

    ユノだと
    っと大丈夫 離れたとても
    っと大丈夫

    更にユノの方の「きっと」は、旋律の最初の拍頭の音が無声子音+狭母音・・・という、歌い出しに注意を要する部分に母音の脱落、それに続く促音という、拍頭で音韻が弱まった上に旋律を寸断する促音が続く3重苦。更にそれが2回も繰り返されるのが、難しいと思いますし、その後すぐに「はなれたとしても」の「し」も中々にハードルが高い感じです。

    例えば同じサビでも2サビのチャンミンパートは、音声的にはなかなか優秀で、母音の脱落が2ヵ所のみです。(紫部分は、歌詞としては無声化ですが、前述と同じように譜割りで無声化が実際には避けられています)そして、フレーズの最初の音も母音の「あ」と綺麗に響く音でこのパートは、歌いやすくクオリティも保てるのでTV放映向きだと思います。

    チャンミン 2サビ
    あの時のままに 君を抱しめた    
    あの時より強 強く抱しめた
    もう一度歩こう 一緒に歩こう
    桜道がほら 明日へ続いている

    でも、この前に歌っているユノのサビのパートが、難しいんですよね。

    あと、一番気になるのは一番大切な1メロの歌い出し。
    「未来(さき)」としているのですが、例えばこれは「未来」と書いて(あす)とするわけには、いかなかったのかな、とか。「向かって行った」って1行に促音が2ヶ所なんですが、例えばここは「向かっていた」じゃダメなのかな?とか思うのです。

    こういう言葉の選択をしているところを見ると、音声よりも「字面」というか、歌う時の配慮はあまりされていない印象を持ってしまいます。それで、作詞専業の方って、どこまで音韻を意識して作詞されるのかな・・・?とちょっと興味がでてきました。

    **
    MUSIC FAIRに出ていたFLOWERが、高音域を安定的に歌っていたのでちょっと気になって、同じように歌詞を調べてみました。その結果が以下となっています。(母音の脱落は、例外もあり、譜割りによっては脱落を避けられるなどあるので、あくまでも目安で見てください。そして、それに輪をかけて拍頭(旋律頭)の狭母音は、旋律の取り方(区切り)は緩いと思ってください。けれど、そもそも極力そういう音声を拍頭には当ててないの、「さよならアリス」の方は!)

    サクラミチ 拍頭狭母音+無声子音 17/母音の無声化 30(32)/促音 19 /
    さよならアリス 拍頭狭母音+無声子音 5/母音の無声化 23/促音 4

    さよならアリスの作詞家は専業の作詞家さんのようなので(作曲家とは別というだけで、一応そう判断)すが、まさか、数値化するとここまで差がでるのか・・・と軽く打ちのめされました。

    サクラミチの歌詞は、時間の経過の流れがあって、サビも1サビ、2サビと歌詞が変化しますし、詩も素敵だと思います。作曲家が歌詞を書いているので、旋律で歌詞がぶった切られてるのに、歌詞重視で無理やり押し込められていたりもしません。けれど、音声的には歌う時のテクニックのハードルを上げてしまっている、のは紛れもない事実なのだと知りました。


    **
    そして、まだ今年のライブに関しては何も書いていないので、「Love in the ice」については、何も触れていないのですが・・・。福岡で聞いた時には、とにかく「サクラミチ」がダントツに良い仕上がり具合でした。「Love in the ice」も良かったのですが、頑張ってるなあ・・・・という印象でした。ところが、公演の回数を重ねてくると、「Love in the ice」は彼らのコンディションが悪くても、結構歌えていたり、聞き映えがするのです。

    なので今回、サクラミチの歌詞を分析するときに、サクラミチのこの数値が果たして平均と比べてどうなのかが判断つかずに、いくつかの曲をおなじように数値化してみました。その時に、私が傑作だと思っている「Forever Love」やその他、ダンス曲なども調査した時に、「Love in the ice」も同じく数値化してみました。

    結果は、驚くべきものでした。
    「Love in the ice」 拍頭狭母音+無声子音 2/母音の無声化 9/促音 2 /


    歌詞を重視して作詞しても、音声的な縛りを排して美しい歌いやすい歌詞を書ける、ということが証明された瞬間・・・といったらオーバーでしょうか?因みに、作詞家の園田凌士さんは、「Love in the ice」の他に「PROUD」「Eternal」「Forever Love」「Take your hands」を東方神起の曲で作詞しています。
    そして、個人的に好きな「Forever Love」と「PROUD」を調べてみましたが、園田凌士さんは天才かも・・・と数値化したときの説得力に驚きました。(Forever Loveは少し多いですが、それでも平均よりは少なそうです)言葉や音の響きに関してものすごく優れた感性をお持ちだったのではないかと思います。

    勿論、歌は楽曲あってのもので、歌詞だけでどうなるというものではありません。
    当然ながら、今回のこの指標だけで歌詞の良し悪しや、作詞家のスキルがはかれるとは思ってません。
    そして、歌手ならば、どんな楽曲、どんな歌詞だろうと歌えるスキルを持つべきだとは思います。
    けれども、バラード問題で色々抱えてきた彼らに、プロのみなさんが別方面からのアプローチで新しい局面を展開させてゆくことは叶わなかったのだろうか・・・?と、少しばかり思ってしまったのも事実です。

    でも、わたくし「サクラミチ」も「君のいない夜」も気に入って聞き込んでます。
    ですが、ここに来て、東方神起の二人を助けるものがまた過去曲(Love in the ice)であるという事実。
    あの歌詞だからこそ、高音域のコーラスのハモリも、極力細かいテクニックを排してストレートにのびやかに歌えるのだなあ・・・と。5人時代に、彼らの資質をこの曲が開花させる一助を担ったのもそういうことだったのか、と改めて思いました。良い作曲家と作詞家は、歌手にとっては宝物で、ファンにとってもそれはまた同様なのですね。

    でも、「サクラミチ」も素敵です。
    余裕があったら、今回書ききれなかったこと、特にユノとチャンミンのこの曲での、この難しい歌詞だからこその、この歌い方、このテクニック・・・というのを少し書くかもしれません。「敢えて」この表現を選んでいるのかな?と思う箇所もあったり、興味が尽きません。

    そして最後に。
    本当であれば、美しいことばの響きで素晴らしい歌詞を書いてくださった園田凌士さんに、もっともっと東方神起の作品に参加して頂きたかったと思います。2014年3月に急性心筋梗塞で享年38歳でお亡くなりになっているそうです。
    園田さんが亡くなっても、私は勿論のこときっと多くのファンも永遠にこの曲を心に刻んで生きていくと思います。ご冥福をお祈りするとともに、素晴らしい作品を東方神起とファンに提供して頂いたことに、心からの感謝をおおくりします。

    コメント

    お待ちしてました^^

    あやんさん
    記事更新発見して嬉しかったです。
    あやん節をまた確認することができました。
    ますます、ご専門からの詳細な分析がなされるようになって、なるほど~と感心しながら読ませていただきました。いや彼らにとっても実はかなりハードルの高い曲なのですね。
    「サクラミチ」に関しては、当初さほど注目していたわけでも気に入っていたわけでもないのでしが、ツアーが始まり聴きこむうちにとても好きになりました。なぜか・・・その理由を私なりに考え行き着いた結論は、ユノもチャンミンも「語るように歌う」ということを自分のものにしているからではないのかな、ということです。
    歌い上げるのではなく、語るように歌うことはどんなに歌唱力のあるプロでも難しく、いわんや20代のアイドル上がり(あえてこう書くことのお許しを)の外国人がここまで日本語で魅力的に歌えることを私自身ちょっとした感慨をもって受け止めたのです。
    ユノのパフォーマンスが好きで東方神起のファンになった私ですが、今ではすっかりユノの歌声の魅せられています。特に日本語で歌うユノの声は母国語よりも甘く儚げで繊細に聞こえるのはその言葉の拙さもあるのでしょうか?でもとても魅力的です。
    「 LOVE IN THE ICE」など過去曲の素晴らしさは二人になってからのファンである私も同意できるものです。
    最近思うのですが、東方神起の楽曲に限らず“日本語を大切にした曲作り”がなされなくなる傾向になって久しいと。
    言葉と曲が一体化した曲は覚えやすく歌いやすい、そして歌い継がれてく・・・「LOVE IN THE ICE」もまたそんな曲の一つなのだと思います。
    園田さんのことは存じ上げませんでしたが、あやんさんの記事を読んで少し調べてみました。お若くして亡くなられた彼はデビュー前から東方神起と面識があったそうですね。そしてずっとメンバーを見守り続けてきたと・・・様々な楽曲を提供してきた園田さんが、今のユノとチャンミンの二人で歌う「LOVE IN THE ICE」を聴いたらどんな感想を持ったかしら。そしてふと、もしかしたらこの曲を蘇らせたのは園田さんを偲ぶユノとチャンミンの意思だったのでは?と言う思いがよぎりました。
    いずれにせよ大切に歌い続けて欲しいですね。
    あやんさん、またいろいろ教えてくださりありがとうごいました。
    今週はいよいよドームツアー大ラスですね。職場から駆けつけるつもりですが、今から遅刻が心配なロータスでした。





    おひさしぶりです!

    お久しぶりです!
    お元気ですか???まいまいです。
    ずっとブログが更新されず(笑)心配しておりました。

    専門的なことは分からないのですが
    あやんさんの書かれていること分かる気がします。
    特に↓↓↓↓すごく納得します。最近の東方神起のバラードの歌詞ってそうだなと感じます。
    >「ことば重視」で歌詞
    >音声よりも「字面」

    伝えたいメッセージがある。
    メッセージを伝えたいっていう気持ちは分かるのですが.......
    それを重視しすぎているのでしょうか?

    個人的には、Love in the ice のほうがずっと
    言葉の音が自然に入ってくるし耳に気持ちいいです。
    歌っている側も結構気持ち良いはず。
    ユノもノリノリで歌っているなぁて思います。
    そしてサクラミチよりずっと好きです〜^^

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